昨日(7月5日)未明の北朝鮮の弾道ミサイル発射に関して、あわただしい動きが
続いています。衆議院の安全保障委員会、外務委員会に所属している関係上、
さっそく自分の仕事に直結してきました。
昨日午後の党の国防・外交・内閣合同部会に続き、衆議院の安全保障委員会が
急遽開催されることになり、出席しました。
民主党の長島代議士がいい発言をしていました。こういう状況のときは、与野党の
壁を越えて協力しなくてはいけません。長島代議士は立派です。
さて、北朝鮮のミサイル発射問題についてまとめてみました。
固い内容ですが、ご一読いただければ幸いです。
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北朝鮮ミサイル発射問題について私見
◆「今、そこにある危機」の本質
多くの皆さんが北朝鮮の弾道ミサイルに恐怖感を持たれていることと思います。
しかし、恐怖感・不安感をあおることが北朝鮮の目的でもあり、冷静に対応すること
こそが北朝鮮の意図を挫くことになります。北朝鮮の思い通りにならないように、
事実を積み上げた冷静な議論が必要です。
残念ながら今の日本の防衛力では、弾道ミサイルを迎撃できないのは事実です。
弾道ミサイル防衛(BMD)は整備途中です。 弾道ミサイル迎撃用ペトリオット
(PAC3)の第一弾が今年度末に導入予定ですが、現段階では対応できません。
また、専守防衛を旨とする自衛隊には北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力は
ありません。対地攻撃可能な航空機(F2)もありますが、電子戦能力や空中給油
能力を考えると、自衛隊独自で北朝鮮を攻撃することは技術的に不可能です。
しかし、以下の3つの理由から無闇に恐れる必要はありません。
①現段階では北朝鮮の弾道ミサイルに核弾頭を搭載できない。
また、化学兵器や生物兵器を弾道ミサイルに装備することも技術的に困難
(あるいは軍事的に無意味)。
②通常弾頭の効果は限定的。
湾岸戦争時にイラクはイスラエルに39発の弾道ミサイルを撃ち込んだが、
死者は2名。日本の世論に対するインパクトは大きいが、軍事的意義は低い。
③米軍の報復攻撃能力は絶大。
北朝鮮は日本を射程に納めるノドンを約200基保有。
対する米軍は巡航ミサイル・トマホークを600基保有。さらに在日米空軍機や
米空母艦載機もある。
◆将来的な脅威と求められる対応
今の段階では北朝鮮の弾道ミサイルはそれ程大きな脅威ではありません。
しかし、将来的に北朝鮮が核弾頭の小型化に成功し、弾道ミサイルに核弾頭
を装備するようになれば、その時は日本にとって重大な脅威となります。
「その時」に備えて、中長期的な対応が必要です。
中長期的に求められる対応
平成23年度完成予定の弾道ミサイル防衛(BMD)システム整備のスピードアップ。
海上自衛隊のイージス艦発射型の弾道弾迎撃ミサイル(SM3)と弾道ミサイル
迎撃用ペトリオット(PAC3)の導入を急ぐ。
自衛隊と米軍との防衛協力体制を一層強化する。
専守防衛を旨とする自衛隊だけでは、北朝鮮に弾道ミサイルを打ち込まれても
何一つ反撃できない。 米軍の打撃力が抑止に有効。
北朝鮮の脅威は弾道ミサイルだけではなく、潜入した特殊部隊による、原子力
発電所や政府中枢機能、在日米軍基地に対する攻撃も想定される。 特殊部隊
による攻撃は、テロ攻撃と全く同じ手法であり、警察力によるテロ対策が有効。
恐れることなく、冷静な対応を!
客観的事実に基づいて冷静に考えれば、北朝鮮の弾道ミサイルが現段階では
大きな脅威ではないことがご理解いただけるのではないでしょうか。
取り乱して恐怖感に捉われ、北朝鮮の作戦に乗せられないことが何より大切です。
冷静な議論を進め、そして潜在的な脅威に対して、中長期的な対応を考えていく
ことが肝要です。
また、こういう事件が起こると在日朝鮮人・韓国人の皆さんに対する嫌がらせ
などが発生します。 北朝鮮の軍事独裁体制に対して憤りを感じるのは自然な
感情で「義憤」とも言えるものだと思いますが、北朝鮮のふつうの国民や在日
朝鮮人の皆さんに対して怒りをぶつけるのは筋が違うのではないでしょうか。
北朝鮮を数年前に襲った大飢饉で100万人以上が餓死したと言われています。
自然条件が近い隣国の韓国で餓死者が出たとは聞いていないので、北朝鮮
政府の失政による人災と言えます。
餓死者の中には罪も無い子どもや一般市民も多く含まれていたと思います。
それどころか特権階級は食糧が確保できるので、罪のない一般市民や子ども・
老人から先に餓死したであろうことは容易に想像がつきます。
北朝鮮の一般の市民は圧制と人権抑圧の犠牲者であると言えます。
北朝鮮政府やその出先機関に対する義憤と、北朝鮮のふつうの市民に対する
筋違いな怒りは峻別すべきと考えます。
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長くなってすみません。
長くて硬い文章を読んで下さって、ありがとうございました。
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