「凶悪化する少年犯罪」のウソ
最近読んだ本に「ホラーハウス社会」(芹沢一也著、講談社、2006年)という
ものがあります。
それによると、1990年代後半以降よくメディアでは「凶悪化する少年犯罪」とか、
「少年の凶悪犯罪多発」といった言い方がされるようになりましたが、これは正
しくないそうです。 統計的には、少年犯罪は凶悪化も急増もしていないようです。
凶悪犯罪の代名詞の殺人を例に取ると、少年が犯した殺人事件のピークは
1951年と1961年でその頃は年間400件程だったようです。
また、1950年代も常識では考えられないような猟奇的な少年犯罪が発生して
いました。
1975年以降は少年による殺人事件は年間100件程度で推移しており、ピーク
時の4分の1程度の発生件数だそうです。
「昔は良かった」的な論客は、昔の少年は倫理観があって、今の少年は全然
ダメだ、心の教育が必要だ、みたいなコトを言いがちです。
教育については、単なるノスタルジーや感情論に基づく政策論争が多すぎる
ように感じます。
教育改革も、少年犯罪対策も、統計に示されている客観的事実を踏まえた上
で議論を進めていく必要があるのではないでしょうか。
誤った情報や誤解に基づく政策論争は、政策論争を不毛にし、政策の質の
低下につながります。
「客観データと事実を積み上げた政策形成」というのは、一見当たり前のよう
に思われていますが、当たり前ではないのが悲しい現実です。
この状況を変えていきたいと思います。
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コメント
はじめして、こちらの本を編集しました安原宏美と申します。知り合いから、このエントリーを教えていただきました。議員の方にこういうふうに読んでいただけて幸い存知ます。この『ホラーハウス社会』の次の芹沢さんの新刊が、昨年12 月に刊行されました『犯罪不安社会』(光文社新書)という新書です。こちらの本は共著です。共著者は法務省に勤務され、犯罪白書を作られていた経験もある浜井浩一龍谷大学教授です。統計と犯罪学の専門家でもいらっしゃいますので、統計部分はより多角的で緻密な分析を記述になっているかと思います。もしよろしければ、献本させていただければと思います。こちらの送り先でよろしいでしょうか?
http://www.kou1.info/annai.html
『世界』も読ませていただきました。がんばってください。以下本当に賛同するのですが、ぜひぜひ状況を変えてください。-誤った情報や誤解に基づく政策論争は、政策論争を不毛にし、政策の質の低下につながります。「客観データと事実を積み上げた政策形成」というのは、一見当たり前のように思われていますが、当たり前ではないのが悲しい現実です。この状況を変えていきたいと思います」-
投稿 安原 | 2007年5月20日 (日) 10:48