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2006年10月29日 (日)

世界史を学ぶ意味とは

必修の世界史の授業を受けていない高校生がたくさんいた、
学校ぐるみで学習指導要領を無視していた、ということが問題視
されています。

しかし、そもそも学習指導要領を金科玉条のごとく扱う必要が
あるのか疑問です。
義務教育の小中学校ならまだしも、 高校にはもっと学校ごと
学生ごとの自由度があってもいいと思います。

さすがにルールを無視するのはまずいので、今後はもっと
ルールに柔軟性を持たせる方向で、 学習指導要領の改訂
を進めるべきです。

また、世界史の年表を暗記して、上っ面の知識(それも試験
が終わればすぐ忘れる程度の知識)を覚えることに意義が
あるのか疑問です。

歴史を勉強する意義は、そこから教訓を学び取ることです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、と言います。
例えば、「なぜワイマール憲法下のドイツでファシズムが
生まれたか?」とか、「なぜ明治期日本は産業革命に成功し、
他のアジア諸国は失敗したのか?」とか、ある程度テーマを
決めて、仮説を立てて、さまざまな角度から分析し、問題意識
を掘り下げることでしか、歴史から教訓を学ぶことはできません。
単なる暗記科目の世界史や日本史だったら、勉強する意味は
あまりありません。

本来、歴史教育とは思考力を高めるために、もっとも重要な
教育のひとつです。それが無味乾燥な暗記科目になっている
のが、悲しい日本の現実です。
高校教育にも思い切った改革が必要です。

まず高校生がしっかりと勉強すべきは、19世紀末から第二次
大戦までのドイツ史とか、東南アジア近代史とか、産業革命期
の英国史とか、シルクロード交流史とか、興味を引いて、かつ、
歴史の教訓を学べそうなテーマかもしれません。

薄っぺらな「世界の通史」なんて、大胆不敵な試みはやめて、
狭く深く掘り下げる科目をつくればいいと思います(英国では
それに近い例があります)。

高校生レベルの教育の目的は、「学び方を学ぶ」ことであるべき
だと思います。丸暗記した知識では、変化の激しい現代社会の
問題に対応できませんし、知識はすぐに陳腐化します。
情報自体はインターネットなどですぐに集められますし、パソコン
にも蓄えられます。
難しいのは知識を総合したり、情報を評価したり、といった能力
を身につけることだと思います。
社会に出た後のために、「学び方を学ぶ」ことが大切で、そのため
に歴史教育は重要ですが、学習指導要領に沿った薄っぺらな
世界史はあまり意味がありません。

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