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2006年10月29日 (日)

核“非”武装論

あいかわらずN政調会長は、
核論議が必要と主張して回っています。
核武装の是非はかつて政府内部でも密かに検討され、
核武装すべきでない、と結論が出ています。
核武装の議論をすること自体が、
世界に誤ったメッセージを送り、
国益を損ないます。

そこで「核“非”武装論」をこのブログで主張します。
逆張りの発想で考えてみます。
仮に核武装を決意したら、
越えなくてはいけないハードルがたくさんあります。
ハードルを越えられる見込みがゼロであれば、
核武装論は無意味です。

越えなくてはいけないハードル:

1.選挙戦(来年の参院選)
民意を問わずに核武装という大事な決断を下す
わけにはいきません。
まずは目の前の選挙で民意を問うことになります。
堂々と核武装論を唱えて選挙に勝てるかどうか、
考えてみましょう。
まず無理でしょう。
また、選挙に勝ったとしても、
難しい国会運営を強いられるでしょう。
連立与党は衆議院で3分の2の議席を持っていても、
議会運営に苦労しています。

2.核武装の財源
核開発の研究費、
核実験費用(実験場の手配、地権者との交渉)、
運搬手段(ミサイル)の開発費用、
教育訓練費用、等など。
莫大な予算が必要です。
社会保障や教育費を削って、
核開発に回すのはかなり難しいでしょう。
核兵器導入のための、
「核武装税」でもぶち上げれば、
必要なコストをカバーできるかもしれませんね(?)。

3.核実験の実施
やっぱり核実験をやってみないと、
実戦配備は難しいでしょう。
どこで核実験をやるのでしょうか?
北海道の原野や沖縄の離島だというのでしょうか?
いずれにしても環境影響評価や地権者との交渉など、
難しい手順を踏まなくてはいけません。
どうやって環境ガイドラインをクリアするか見ものです。
今どき飛行場やゴミ処理場をつくるのさえ難しいのに、
核実験場なんて受け入れてくれる自治体はなかなか
ないでしょう。
地方交付税をばら撒いても、効き目は薄いでしょう。
核武装論を唱える政治家は、
自分の選挙区に核実験場を誘致する覚悟で、
主張してもらいたいものです。

4.アメリカの「核の傘」の消失
日米同盟に亀裂が生じ、
アメリカの「核の傘」に期待できなくなるでしょう。
核の傘が使えなくなるのは、
核武装を決めた時からかもしれません。
核武装を決めた瞬間から、
実際の核兵器実戦配備までの期間、
だいぶタイムラグがあります。
その期間、アメリカの核の傘がなくなり、
無防備な状況に置かれることを、
覚悟しなくてはいけません。

5.アジア諸国
当然、中国、韓国、東南アジアは大反発。
東アジアの軍拡競争が一気に加速します。
中・韓の軍拡に対応し、
自衛隊の通常装備も増強しなくてはいけなくなります。
日本は戦前のようにアジアの悪者に逆戻りです。

6.アメリカの仮想敵国化
アメリカの日本に対する信頼が低下し、
アメリカが日本を潜在的な仮想敵国と見なす可能性
もあります(オレンジ計画2か?)。
今の日本の防衛費は約5兆円、
アメリカの軍事費はその約10倍です。
アメリカ第七艦隊を仮想敵として、
防衛計画を練り直す可能性も出てきます。
今の防衛費と自衛隊の戦力では、
とても太刀打ちできません。

7.国際社会からの孤立と経済制裁
核武装を決めれば、NPTから脱退し、
国際社会の批判を浴びます。
国連から圧力を受け、
経済制裁を受けかねません。
今日本が北朝鮮に対してやっていることを、
そのまま他国からやられるかもしれません。
貿易立国の日本は、経済制裁を受けては生きて
いけません。
太平洋戦争のきっかけは、
いわゆる「ABCD包囲網」による経済制裁でした。
愚かな歴史を繰り返させてはいけません。

以上のハードルをクリアするのは、
まず不可能でしょう。

従って、核武装の実現可能性はゼロです。
結論としては、核“非”武装論こそが正しい。

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