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2006年12月11日 (月)

国会の仕組み

朝の駅頭演説で国政報告チラシを配っていますが、
今回の号はなかなか好評です。
転載しますので、ご一読いただけると幸いです。

---(以下本文)---
【国会の仕組み】

◆国会ってどんなところ?

国会を身近に感じる人はあまり多くないかもしれません。
私自身も政治や国会とは無縁の生活を送っていました。
正直言って、政治家に対してはうさん臭いイメージしか持っていませんでした。

学生時代の私は途上国の貧困問題や難民問題にしか興味のないマニアックな学生で、フィリピンの大学に留学して、変り者扱いされました。
当時は日本の政治にまったく興味がなく、東南アジアの社会や歴史、国際政治ばかり勉強していました。
JICA(現国際協力機構)に就職して、初めて役所(外務省や農水省等)と一緒に仕事をし、行政の仕組み、政治と行政の関係、ODAへの政治家の影響力について知りました。
また、NGO勤務時は、外務省や法務省入国管理局に対して影響力を行使してもらい、難民政策やNGO支援策を変えるために国会議員にロビイングしていたこともあります。

そんな中で政治を変えなくては、難民政策も寄付金税制も変わらないことを実感しました。
草の根の市民活動を支える制度的土台の構築や外交政策・ODA政策を改革するためには政治を変えることが大切だと感じました。
そして、昨年3月候補者公募に応募し、昨年9月の総選挙で初当選し、ふつうのサラリーマンから国会議員になりました。

日々の暮らしの中で国会に関係することはたくさんあります。
税金も年金も、北朝鮮の核実験問題も、教育に関する法律も、国会で議論され、決定されます。

◆意外と知られていない国会の仕組みと不思議

国会は多くの規則、儀礼や慣習(因習?)で成り立っています。
さまざまな不文律やインフォーマルな組織が、法案可決に大きな影響を及ぼします。
法案成立までの大雑把な流れは、次のとおりです。

@国会提出
A.本会議趣旨説明
B.委員会審査
C.本会議可決(成立)

@国会提出まで
(与党審査: (1)部会 ⇒ (2)政調審議会 ⇒ (3)総務会)

国会提出までの前段階で、勝負のヤマ場は与党審査です。
与党審査は法案の詳細設計の場で、役所がつくった原案に修正が加えられます。
与党審査を経た法案は、そのまま国会で通ることがほとんどで、法案の修正や否決といったケースはそれほど多くありません。

与党審査は政務調査会(政調)の部会と呼ばれる場からスタートします。
各部会は、外交部会や厚生労働部会等と各省庁に対応して、設置されます。
部会長は当選3~4回の議員がやります。
副大臣になる前のトレーニングという色彩もあるようです。
部会では政府側(大臣、副大臣、大臣政務官、官僚)から法案の説明があり、その後フリーディスカッションになります。
私のような新人議員でも自由に発言できます(先輩議員の後ですが)。
部会では新人の意見でも、いい意見なら通ります。
思ったよりもずっと、自民党内の議論は民主的でした。

次のハードルは政務調査会審議会で、政調会長と副会長、約20名の審議委員が審査します。
担当部会長が法案を説明し、補佐として担当省庁の局長も同席します。
そして最終関門は総務会です。
約30名のベテラン・中堅議員からなる総務会で法案が審査されます。
総務会の審査と政調審議会の審査は、似たようなプロセスです。

与党審査はオープンではないため、不透明との批判を浴びています。
私も与党審査のあり方を改革すべきと考えています。
党内の部会、政調審議会、総務会の3つのハードルを越え、意思統一がなされ、党議拘束がかかります。
自民党の意思決定の後、連立のパートナーの公明党との協議に入り、最終的に連立与党内の意思統一が図られます。

A.国会の本会議における趣旨説明

本会議で大臣から法案の趣旨説明がなされます。
儀礼的な意味しかありません。
しかし、これが終わらないと委員会の審議に入りません。
趣旨説明に入ると、ひとつハードルを越えたことになります。

B.委員会の審議

国会議員は、通常2~4つの委員会に所属します。
私は外務委員会、安全保障委員会、青少年問題特別委員会の3つの委員会に所属しています。

委員会審議は、大臣による法案提出理由の説明から始まります。
「お経読み」と呼ばれ、抽象的な内容の原稿を大臣が2~3分で読むだけの儀礼です。
その後、質疑に入ります。質問時間は野党に多めに配分されます。
自民党1時間に対して、野党3時間位の感じです。
自民党議員はなかなか質問時間が回ってきません。
私の場合、直近では10月末に外務委員会でJICA法の改正案の質問に立ちました。与党内根回しを手伝っていたし、元JICA職員なので、麻生大臣や官僚よりJICAのことはよく知っていると思います。
この質問は、議員になって初めてリラックスしてできた質問でした。
蛇足ですが、参議院でJICA法案の質問をした山本一太参議院議員も元JICA職員です。
政府系金融機関の再編にからんだ今回のJICA法案の改正に向けて、山本さんや桝添さんのリーダーシップのもと、財務省や党内の反対派と戦ってきました。
不思議なことに、共産党も含めて全野党が賛成してくれた法案ですが、身内の自民党内の戦いは熾烈でした。
国会を通すより、与党審査を通す方が、難しいケースの好例です。

委員会では主に大臣が答弁に立ち、副大臣(当選3~5回の議員)や大臣政務官(当選2~3回の議員)、各省庁の役人が補佐します。
与党は誰が答えても文句を言いませんが、野党は頻繁に大臣の答弁を求めます。
もちろん大臣が答弁するのが筋ですが、例えば、外務大臣は国際会議や外相会談等で海外に出向くのも重要な仕事です。
必要以上に大臣の答弁を求めると、外務大臣が外国に出張できないという異常な事態に陥ります。
外務大臣不在のときは、副大臣の答弁でがまんしてくれるよう、野党にお願いしたいところです。

C.本会議の可決(国対政治の弊害)

本会議の可決は、全会一致のときは議長が「ご異議はありませんか?」と尋ね、全員で「異議なし」と答えて採決します。
反対がある場合、起立採決となります。
条約の承認や環境問題等は、共産党も含めて全会一致のケースも多いです。
前述のJICA法改正案は全会一致でした。
全会一致法案もけっこうありますが、ニュース性がなくて、あんまり報道されません。
もめる法案ばかり報道されます。

本会議で採決すれば、間違いなく政府・与党案が可決します。
そこで野党は、法案の審議、採決をさせない戦略をとります。
国会に法案を提出するまでは与党内の審議や根回しで苦労し、国会提出後は審議入りを巡って与野党の攻防が始まります。
委員会審議に入れない状態を「つるし」と呼びます。
野党のつるしをいかにして解いてもらうか、それが国会でのヤマ場です。
与野党の国会対策委員(国対)の幹部同士が、駆け引き、会議、根回しを繰り返し、審議に入れるか否かを、入れるとすればそのスケジュールを調整します。

A法案をあきらめるから、B法案のつるしを解いてくれ、といった取引が行われます。
ときには野党のメンツを立てるため、わざと審議を遅らせるといったこともあると聞きます。
与党は早く法案を可決したいし、野党は少しでも遅らせたい。
与野党間で無益なメンツ争いが行われ、政策論争よりスケジュール闘争が大きな意味を持ちます。これを「国対政治」と呼び、長年批判の対象となっています。
ちなみに自民党の一年生議員は国会対策委員に指名されますが、やるのは先輩議員の代理出席だけで、野党との交渉といったデリケートな業務はやっていません。

◆役に立たない国会マメ知識

(1)議員バッチ1個は初登院のときにもらえます。
予備バッチは購入しなくてはいけません。
バッチの値段は衆議院12,000円、参議院16,000円です。
参議院の方が高級です(貴族院のなごりでしょうか?)。

(2)自民党議員の食生活:政務調査会の各部会は朝8時から9時半の間、または、昼食時に開催されます。
朝の部会はお弁当箱に入った朝食が出ます。
昼食は必ずカレーライスです(サラダが付くことも)。
党本部のカレーを週4回食べている議員も多いです。
味はまあまあですが、毎日だと・・・。
自民党新人議員は当選直後に総理官邸の昼食会に招かれますが、そこでもカレーです。
自民党議員はカレーが好きみたいです。

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