博物館の経済波及効果
大英博物館で「わざの美」展が開催され、
日本の伝統工芸を紹介するそうです。
ロンドン大学留学中、大英博物館から徒歩5分くらいの
学生寮に住んでいたこともあり、なんとなく親近感があります。
前々から疑問だったのですが、
「大英博物館」は英語ではBritish Museumなので、
直訳すれば、本来は「英国博物館」でしかありません。
なのに、日本人は「大英」と訳しています。
これもかつての栄光、大英帝国に対する敬意でしょうか。
さて、本題は「博物館の経済波及効果」です。
大英博物館は入場料はありません。
無料と言うと誤解を生むかもしれませんが、無料で入れます。
その代わり、入口に募金箱が置いてあり、
「できれば3ユーロ寄付してください」
といった注意書きがあります(注:私の留学当時)。
人によっては3ユーロ以上出していますし、
日本人観光客は上品に3ユーロ入れる人も多いです。
また、他の著名な国立美術館も同様の入場無料で、
寄付をお願いしているところが多いです。
しかし、仮に平均3ユーロ以下の寄付しか集まらなくても、
十二分に割に合っていると思われます。
イギリスは世界中から観光客が訪れます。
その多くが大英博物館や著名な美術館を訪れます。
観光客が宿泊や食事、お土産品購入に費やすお金を考えると、
イギリス政府が博物館や美術館の入場を無料にしても、
他の収入で十二分にモトが取れるのだと思います。
なんかの本で読んだうろ覚えの記憶によれば、
アメリカで行なわれた博物館・美術館の経済効果の研究では、
公共事業の乗数効果(波及効果)よりも、
博物館や美術館の乗数効果のほうが格段に高いのだそうです。
すでにある程度インフラが整った先進国においては、
ハードの公共事業に投資するよりも、
博物館や美術館に投資するほうが儲かるということです。
そういう意味では、イギリス政府が、
国立博物館や美術館の入場料を無料にしているのも、
十分に経済的合理性を持つ政策判断なのでしょう。
日本もそういうところは見習って、
世界中から観光客を呼び込むことを考えた方が、
公共事業依存型・20世紀型の公共投資より、
割がいいのかもしれません。
まだまだイギリスに学ぶことはたくさんあります。
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