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2008年2月 5日 (火)

空港の外資規制を巡る攻防

今朝の国土交通部会は、空港の外資規制の議論で大荒れでした。
国土交通省とその応援団は、羽田と成田の空港運営会社の
外資規制を導入しようと目論んでいます。

危機管理と安全保障の観点から外資を規制すべき、
というのが国交省側の理屈です。

部会の議論では、危機管理や安全保障の具体論はあまりなく、
どちらかと言えば感情的な「経済国粋主義」的な外資規制論が
多いように感じました。
本当に危機管理や安全保障上の問題があれば、防衛庁(航空自衛隊)や
警察庁のテロ対策部門、農水省の食品検疫部門等の意見も聴取すべきです。
そんなことはなくて、抽象的かつ大雑把な議論で、安全保障や危機管理上、
外資を規制しなくてはいけない、という意見が多かったのが実情です。

国交省の説明資料によれば、外資規制なしのイギリスやデンマークでは、
外資が空港管理を行うようになってから、
空港のチェックインカウンターの列が長くなったり、清掃が不十分になったり、
ロビー内の公共ベンチが少なくなったり、という弊害が出たそうです。
こんな些細なマネジメント上の「弊害」が、
マーケットのルールをねじ曲げてまで守るべき国益とは思えません。
そもそも外資じゃなくて、日本の企業でもそういった弊害は起こり得ます。
国交省ももう少しまともな「弊害」の事例を収集してくれば、
もっと賛同者が増えたかもしれません。

こんな説得力のない資料を見せられたら、国交省が守りたいのは、
単に天下り先ポストではないか、という疑念が浮かんできます。
新聞の見出しでも「天下り先 死守のため?」と書かれていましたが、
それもそうかもしれない、とついつい思ってしまいます。

また、「市場原理主義はダメだ」という理由で外資規制に賛成の人もいますが、
外資じゃなくて、日本人や日本企業にも市場原理主義者はいます。
また、原則として自由で公正な市場経済が望ましい、というのが、
これまでの自民党のコンセンサスだったと思います。
市場経済と資本主義に反対なら、共産党に入党されたらよろしい、と思います。

そもそもすでに羽田の空港ビル会社は東証一部上場企業です。
すでに上場している企業を「後出しジャンケン」で規制するのは、
無節操すぎて海外投資家の日本市場に対する信頼を損ないます。
東証の幹部も困っているそうです。
海外の投資家に「日本の市場のルールは無茶苦茶だ」という
認識を持たせることは、株価対策として最悪です。
海外からの投資を積極的に受け入れると福田首相も宣言したばかりです。

国交省の「後出しジャンケン」を認めるか否かという議論は、
国としての原理原則の問題でもあります。
これまで「事前規制から事後チェックへ」という改革を進めてきて、
ここにきて「事後規制・事後裁量」という邪道なやり方をとれば、
世界の投資家に見放され、日本の投資家も国内に投資しなくなります。

国交部会では、外資規制については賛否両論、半々くらいでした。
にも関わらず、国交部会長は「部会長一任」を取り付けようと、
反対意見を無視して、部会を閉会にしようとしました。
それに対して反対派議員が部会長に詰め寄り、結果はよくわからないまま、
部会はお開きになりました。
閉会後もわれわれ反対派は残って部会長に抗議しました。
党内の了承が得られた、という状況には至っていません。
これからも外資規制を巡る党内論争は続きそうです。

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