政治と軍事の意外な関係
6月上旬に政府はアフガニスタンに調査団を派遣し、
アフガニスタンへの自衛隊派遣の可能性を探っています。
私は昨年秋以来アフガニスタンへの自衛隊派遣に反対してきました。
政府内でも意見が真っ二つに割れているようです。
首相官邸と外務省は自衛隊派遣に前のめりで、
防衛省・自衛隊は派遣に後ろ向きです。
防衛省・自衛隊側とすれば、法的根拠がないため、
法改正の必要もあり、かつ、危険な任務です。
一応、物資輸送などの「後方支援」を検討しているようですが、
アフガニスタンに「後方」があるのか大いに疑問です。
アフガニスタン国内ならどこにいてもテロ攻撃のターゲットです。
昔の戦争のように「前線」と「後方」の区別がないのか、
アフガニスタンのような紛争地の特色だと思います。
テロやゲリラは後方の兵站(輸送や備蓄)を好んで攻撃します。
精強な第一線の戦闘部隊を相手にするよりも、
輸送部隊を狙った方がやりやすいに決まっています。
輸送部隊こそ「ソフトターゲット」です。
紛争地で生き抜く鉄則は「ソフトターゲット」にならないことです。
首相官邸や外務省という「政」の側が紛争地への派遣に前向きで、
防衛省や自衛隊という「軍」の側が後ろ向きなのは、
多くの日本人にとって意外な印象を与えるかもしれません。
しかし、意外でも何でもなく、近代の戦争の歴史の一般法則に近いのです。
10年以上前に「戦争回避のテクノロジー」という本を読みました。
うろ覚えですが、過去数百年の戦争を分析したその本には、
「無謀な戦争に熱心なのはたいていの場合、政治家の方で、
職業軍人は技術的理由で開戦に反対するパターンが多い」
といった趣旨の記述が出てきました。
政治家(および軍事政権における政治家化した軍人政治家)は、
人気取りのためや利権のために戦争をやりたがるケースが多く、
逆に実際に戦場に送られて死ぬかもしれない職業軍人の方が、
より冷静かつ客観的に戦争を捉えていると言えるのでしょう。
誇り高きプロフェッショナルな職業軍人は、文民統制に従い、
技術的な観点から無謀な戦争を好みません。
戦前の日本軍では、政治家化した軍人が実権を握り、
政権まで握ってしまったことが間違いでした。
過去のブログの主張の繰り返しになりますが、
アフガニスタンへの復興支援は「文民」が主体であるべきです。
JICAのようなODA実施機関、NGO、国連機関が、
アフガニスタンの復興のために今もがんばっています。
日本政府はアフガニスタンの人たちを助けるために働いている
援助機関に対して資金や人材を提供すべきです。
*ご参考:2007年11月のブログ
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_620c.html
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_95c8.html
*参考文献:ジェイムズ・F・ダニガン著「戦争回避のテクノロジー」1990年
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