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2008年7月22日 (火)

食料自給率アップの必勝法

ニュースを見ても、地元の皆さんのお話を聞いても、
食料自給率低下への危機感が強いように感じます。

食料自給率が低いことは望ましいことではありませんが、
その危機感に便乗して、新たな補助金や利権が生まれないよう、
注意する必要があります。

小学校レベルの足し算、引き算、割り算、かけ算を使って、
食料自給率と食物廃棄について大雑把に考えてみます。

いま日本の食料自給率はカロリーベースで約40%です。(注*1)

日本では食料品の3分の1を捨てているそうです。
正確な数字は出しようがありませんが、いろんな推計によれば、
食料の25%~35%程度は、廃棄されているようです。
計算を単純化するため、食料の30%を廃棄していると仮定します。

食料廃棄が多いのは、環境配慮からいっても望ましくありません。(注*2)
食料廃棄を30%から10%へ低下させると仮定します。

また、食料廃棄がなくなって、需要が減った分だけ、
食料輸入が減ると仮定します。(注*3)

大雑把に考えるため、ある家庭で食料を月に10キロ買っているとします。
これまでは10キロのうち、4キロが国産、6キロが輸入品でした。
そのうち3キロを食べずに捨ててしまっています。

ところが食べ物を大事にして、なるべく捨てないように努力して、
食料廃棄の割合を30%から10%に低下させました。
つまり10キロのうち1キロしか食物を捨てないようにしました。

すると、この家族は月に8キロしか食料を買わなくても済むようになります。
そして従来通りに国産の食品を4キロ買うとすれば、
これからは輸入食品は4キロ(6⇒4)しか買わなくても済むようになります。

ちょうど国産食品と輸入食品の比率が半々になります。
つまりは食料自給率50%達成です。
食料廃棄を減らすだけで、食料自給率を40%から50%にアップできます。

いまの生活を見直して、食物の廃棄を減らすだけでも、
かなり食料自給率を向上させることができます。

また、食料危機が迫ってくれば、食料の市場価格が大幅に上昇します。
食料の市場価格が上がれば、食料を増産する動きが出てきて、
需給のバランスを回復させる方向に作用します。

さらに、日本国内で本当に餓死者が出そうな状況になれば、
穀物を家畜に食べさせる余裕がなくなるでしょう。
穀物を家畜の飼料にせず、人間が食べるようにすれば、
それだけでも食料を相当確保できるようになります。

かつて欧米諸国が莫大な補助金をつぎ込んで食料自給率を上げ、
欧米諸国の余剰穀物がアフリカ諸国に流れていました。
アフリカの都市部の貧困層は、安い穀物が買えてよろこぶでしょう。
しかし、穀物をつくっているアフリカの農民(たいてい貧しい)は、
穀物の市場価格が下がってしまって、いい迷惑です。

民主党がマニフェストで訴えている農家の所得保障のように、
農業に補助金をドンドンつぎ込んで食料自給率を上げる戦略は、
あまり望ましいとは思えません。

本日のブログで言いたかったことは、
1)食料の廃棄を減らせば、食料自給率は上がる、
2)農水省のプロパガンダにあおられて、変な補助金や利権を増やしてはいけない、
という2点でした。

注意
1)金額ベースの食料自給率は約70%ですが、
  議論の単純化のために、ここでは無視します。

2)経済的観点だけで考えると、食料廃棄が多くても何ら問題ありません。
  廃棄される食料の購入費もその処理費もGDP増加に役立ちます。
  それどころか食料廃棄の減少、イコール、食料需要の減少であり、
  農家にとっては大きなダメージとなります。
  しかし、食べ物を粗末にするのはもったいない、という
  日本人の国民感情を考えて「食料廃棄は悪」と決めつけます。

3)食料需要が減った分だけ輸入が減る、というのは強引な仮定です。
  もしかすると食料需要が減っても、国産の食料供給が減るだけで、
  食料輸入が減らない可能性もあります。
  しかし、農水省もマスコミも「国産を増やせば、輸入が減る」という
  暗黙の前提をもとに議論しています。
  ここでは農水省やマスコミ一般のつくった暗黙の前提に沿って、
  食料需要が減少すれば、その分だけ輸入が減ると仮定します。

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