最近、党の機関紙に論文を発表しました。
タイトルは「小さな政府と大きな市民社会」です。
NPOや地域社会の助け合いが、「新しい公共」を支えます。
以下、編集部に修正される前の原稿です。
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小さな政府と大きな市民社会
財政ひっ迫を理由に「小さな政府」を目指す流れは止まらないが、
それだけでは不十分だ。
小さくなった政府の空白を埋め、社会に安心と安定をもたらす仕組みが必要である。
地域の伝統的な助け合い、NPOやNGOの草の根の市民活動、
企業の社会貢献活動などの「市民社会」が、小さな政府の空白を埋め、
社会の安心、安定を確かにする。
これまで日本では「公」を官が独占してきた感があるが、
これからは「公」を官と民でともに支える「新しい公共」をつくる必要がある。
「小さな政府、大きな市民社会」である。
「お上」意識を転換し、何でも国が口を出すのはやめ、
問題が起きれば、まず地域社会やNPOが取り組み、
それでダメなら市町村が出てきて、それでもダメなら都道府県が対応し、
国が出てくるのは最後の最後、という仕組みに変えなくてはいけない。
地域の問題は、住民やNPOが一番よくわかっている。主役は市民なのである。
行政は地域社会やNPOによる問題解決を支えることに力を入れるべきである。
自民党にはNPO特別委員会、国際NGO小委員会といった委員会が置かれ、
NPOへの寄付を増やすための寄付金税控除をはじめ、
NPOなどの市民組織を支える仕組みづくりに取り組んできた。
また、NPOの提言を党の政策に反映させたり、
NPOの要望を各省庁に伝えるための政策対話の場を設けたりと、
NPOの声を国政に反映させてきた。
官僚主導の政治から脱却するためには、
霞が関の官僚機構以外の情報源や知恵袋を持たなくてはいけない。
官僚機構の内部からは、役所に都合の悪い情報や提案は上がってこない。
強力な官僚機構に対抗して、政治主導で政策を立案するには、
民間の知恵や情報が欠かせない。
NPOはそれぞれの分野で問題解決の最前線にいて、
現場の知識や経験が豊富である。
NPOが取り組むのはシングルイシュー(特定の課題)なので、
その分野では役所に負けない知識、そして生の情報を持っている。
市民の目線に近いNPOのアイデアや現場のノウハウを政策形成に活用できれば、
霞が関の官僚機構への依存から脱却できる。
今年日本で開催されたアフリカ開発会議(TICAD4)でもG8サミットでも、
国内外のNGOの活動が目立った。
国際社会のおけるプレーヤーとして、国際機関、国家、多国籍企業と並んで、
NGOの存在感がますます大きくなっている。
地球温暖化や途上国の開発問題を語るときにNGOは不可欠の存在になった。
外交や地球環境問題などで日本の主張を国際社会に受け入れてもらい、
国益を守るには国内外のNGOとうまくつきあわなければならない時代になっている。
また、役所が直営でやる必要のない行政サービスは、
市場化テストや業務委託でNPOに任せた方が良いケースが多い。
行政の効率化のために小回りが効くNPOが
行政サービスを担うというケースはますます増えるだろう。
さらにNPOは、雇用の受け皿や退職者の生きがいづくりにも役立つ。
障害者福祉、介護や子育て支援など、NPOが得意とする活動は、
人手がかかる仕事が多い。
退職した団塊世代や非正規雇用の若者のなかには、
お金よりもやりがいを求める人も多い。
私自身もかつてNPOの有給スタッフとして働いていたが、
給料は安くても、楽しくやりがいのある職場だった。
お金だけじゃなく、やりがいや生きがいに重きを置く人にとっては、
NPOはよい職場である。
より良い社会をつくるために活動するNPOの雇用が増えれば、
地域社会の安定や安心につながる。
特にニートやフリーターとして不安定な雇用のもとでまいっている若い人たちに、
社会的に意義があって誇りを持てる仕事を提供することは、
社会政策としても重要である。
寄付金優遇の拡大やNPOへの助成を増やし、大きな市民社会をつくっていくことが、
小さい政府のもとで社会を安定させる最善の策である。
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