« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

2009年3月31日 (火)

候補者公募のお知らせ

自民党の滋賀県連で衆議院小選挙区の候補者公募をやっています。
私も自民党神奈川県連の公募で候補者になりました。
私が公募を知ったのは、当時の県連会長の河野太郎さんのメルマガです。
このブログを見て、ひとりでも応募してくださるとさいわいです。

本当はすべての空白選挙区で公募をやるべきですが、
そうなっていないのが残念です。
ちゃんと公募している滋賀県連を応援したいと思います。
我と思わん方はふるってご応募ください。

詳しくは自民党滋賀県連のホームページをご覧ください。
http://www.biwa.ne.jp/~jimintou/

-------------------------------------------
衆議院滋賀県第4区

応募資格 ①日本国籍を有する満25歳以上の人
      ②自薦・他薦は問いません
      ③公募実施選挙区に在住していない方の応募もできます
      ④自民党籍の有無は問いません

審査基準  次の基準により選考委員会が審査します
      ①将来の自由民主党を創造する意欲のある人
      ②21世紀の政治を考え、活動できる人
      ③広い見識を持ち、人格にも優れた人
      ④果敢な行動力と、その将来に大きな期待を持てる人

申込期間  平成21年4月1日(水)~4月10日(金)必着

|

北朝鮮“飛翔体”発射事案

この「飛翔体」って何だと思われますか?
防衛省の資料を読むとミサイルのことを「飛翔体」と呼んでいます。
外務省のペーパーには「北朝鮮ミサイル問題」と出てきます。
内閣官房や総務省のペーパーでも「飛翔体」です。
こんなところは政府内で統一がとれていません・・・

さて、今朝の内閣・外交・国防・総務部会の合同会議で、
北朝鮮ミサイル問題の説明を受けました。
蛇足ながら、党では「ミサイル」の用語を使っています。
外務省、防衛省、総務省、内閣府では(用語の不統一は置くとして)
着々と「Xデー」に向けて準備が進んでいます。

この5年ほどで弾道ミサイル迎撃体制はだいぶ進んでいます。
弾道ミサイル防衛システムはかなり高価であるため、
導入当初は批判もあったようですが、
用意しておいてよかったと多くの人が思っていることでしょう。
細かい内容は書きませんが、説明を聞いて少しほっとしました。
何もないことを祈りますが、何かあっても大丈夫なように、
政府関係機関は一丸となって準備を進めています。

|

2009年3月30日 (月)

森田健作さん知事に

千葉県知事選は森田健作さんが当選されました。よかったです。
マスコミ某社から電話取材で感想を聞かれました。
私の答えは「国政への影響はないと思います。森田さんが勝ったのは、
自民党への支持でもなく、ご本人の努力と人気だと思います」というもの。

森田知事はもともと自民党所属の衆議院議員だったし、
自民党県議の多くが森田氏支持だったとは言え、
今回の選挙結果は、自民党への支持の増加ということではないでしょう。
細田幹事長も冷静なコメントをされていましたが、正しい判断だと思います。

前回知事選で負けた後、森田氏は地道に政治活動を展開し、
政党色を出さずに選挙戦を戦ってきました。
もともと知名度のある人ですし、好印象の人なので、
森田さんに勝てる候補はいなかったと思います。

森田知事には千葉県民のために働くと同時に、
地方から国政によい影響を与えてほしいと思います。
例えば、霞ヶ関の問題点について橋下知事が激しくかみついていますが、
けっこう正論を吐いていて感心します。
橋下知事の霞ヶ関に対する批判が一見過激に見えて、
実はポイントをついた政策論になっているのは、
周囲によいブレインがいるからだと思います。

橋下知事のプレインの一人は私の尊敬する上山信一教授です。
上山教授は国交省の官僚をやって、民間のコンサルティング会社に転じ、
その後、大学等で教えながら、地方自治体の行政改革のアドバイスをしています。
例えば、「行政評価」を日本の官庁に定着させたのは上山教授だと思います。
また「行政経営フォーラム」という実務者や学界関係者等のフォーラムを設立され、
私も一時期会員でした(海外赴任時に会費を払い忘れ、脱会)。

森田知事にも上山氏のような経験豊富で優秀なブレインがいれば、
千葉県の行財政改革や活性化がうまくいくと思います。

これまで読んだなかで上山信一教授の以下の本は特にお薦めです。
『「行政経営」の時代-評価から実践へ』(NTT出版)
『政策連携の時代―地域・自治体・NPOのパートナーシップ』(日本評論社)

上山信一教授のブログ
http://www.actiblog.com/ueyama/

行政経営フォーラム
http://www.pm-forum.org/

|

2009年3月27日 (金)

お知らせ:国政報告会

来週水曜日(4月1日)に以下の要領で国政報告会を開催します。
ゲストスピーカーには山本一太参議院議員にお越しいただきます。
当日参加も可ですので、お時間のある方はぜひご参加ください。

1)日時:4月1日(水)19:00~20:30頃
   *受付開始:18:30

2)場所:新百合21ホール(地下2階)
   *アクセス http://shinyuri21hall.jp/7accsess/

3)会費:3000円

4)ゲスト:山本一太参議院議員

5)その他:予約不要です(当日参加可)

6)お問い合わせ先:山内康一事務所(044-930-7160)

|

2009年3月26日 (木)

久しぶりの英会話

オーストラリア大使館の政務担当の一等書記官の方が来て、
日本の政治、北朝鮮外交、オバマ政権の対日政策等について、
いろいろと質問して帰られました。

もともと「英語が得意」とは言えないレベルなのに、
このところずっと国内向けの仕事ばかりしてきたので、
さらに英語力が落ちています。
こんないい加減な英語で外交官と話しても良いものか不安です。
日豪関係に悪影響を与えないとよいのですが・・・

途上国援助の世界なら英語の専門用語にもだいたい対応できますが、
政治とか軍事に関する専門用語の英語がなかなか出てきません。
相手が日本語を勉強している方だったので、基本的には英語ですが、
英語と日本語のチャンポンでコミュニケーションをとりました。
冷や汗ものです。

これでは「ロンドン大学修士課程修了」というのが学歴詐称だと疑われかねません。
もうちょっと英語を勉強しなくては、と危機感を持ちました。
前々からたまには英語の雑誌や原書も読まなくてはいけないと思っているのですが、
手っ取り早く情報を得られる翻訳書に頼ってしまいがちです。
そうするとますます英語力が低下してしまいます。

2期目に入ったら在東京の外交団とのお付き合いや海外視察もやって、
英語の情報源にもアクセスして、英語力アップに努めようと思います。
フィリピンとか、インドネシアとか、アフガニスタンとか、イギリスとか、
過去に滞在した国々と日本との橋渡し役になりたいと思う今日この頃です。

|

2009年3月25日 (水)

祝WBC優勝!

昨日はWBC優勝に日本中がわきました。
うちの事務所の某女性スタッフは、日ごろ野球には関心が薄く、
「野球は原則9回まで」「同点だと延長」という、
野球の基本的なルールさえ知らないのに、
日本が韓国に勝ったときは異常に盛り上がっていました。
ルールを知っている人がもっとよろこんでも不思議ではありません。

今朝ある新聞を開いてみると、左側のページに民主党小沢代表の写真があり、
右側ページには大きな文字で「やっぱりイチロー」という見出しがありました。
小沢代表の顔写真が目に焼きついていたので「やっぱりイチロー」というのは、
小沢代表の続投のことを指しているのかと勘違いしてしまいました。
昨日はイチローのねばりが日本の勝利に結びついたようですが、
民主党の小沢一郎代表もねばるようですね。

暗いニュースが多いなかで、WBCのニュースは日本中を明るくしてくれました。
明るい日本をつくるため、政治もがんばらなくてはいけません。
今日は午前中は外務委員会、午後は青少年問題特別委員会で視察です。
視察では渋谷区ヤングワークプラザと足立区若者サポートステーションに行き、
若年層の就労支援サービスの現場を見てきます。
失業中や非正規雇用の若者に対する就労支援や職業訓練を強化したいと思います。

|

2009年3月24日 (火)

意外な自分を発見?

昨日から今朝にかけて党内当選1、2、3期の有志議員で集まり、
合宿形式の政策勉強会を開催しました。
午後1時から10時まで政治改革、党改革、成長戦略について議論し、
今朝も7時から9時まで取りまとめの議論を行いました。

この勉強会は「当選回数が1~3回の若手」という共通点で集まり、
自民党という以外は、政策的な共通点や経歴的な共通点はありません。
いろんな意見が飛び交い、自民党は幅のある政党だとつくづく思いました。

これまで私は自分のことを「穏健な常識人」だと思っていました。
自分ではそんなに突飛な意見を言っているつもりは全然ありません。
特別優秀でも頭脳明晰でもないけれど、地道に努力してきた方だと思います。

しかし、この合宿勉強会のフリーディスカッションに参加してみて、
ふと「もしかして自分は自民党で浮いているのではないか?」という疑問、
「もしかして自分は過激派なのではないか?」という疑問がわいてきました。

自民党の主流派をまっすぐに歩んでいる若手議員の皆さんから見ると、
どうやら私は「現実的ではない提案ばかりするシロウトっぽい議員」と、
思われているような気がしてきました。

逆に私から見ると各派閥の将来を担う主流派の若手議員の皆さんの言うことは、
現状肯定的で“新しさ”に欠けるように思えてなりません。
これまでのベクトルの延長線上に物事を考える議員が多いように感じます。

政治も経済も先の見通しの立たない時代だからこそ、
従来の発想に捉われず、柔軟な対応が大切だと思います。

今回の合宿を通して、自分が党内で「亜流」であるという自覚を持ちました。
しかし、自分のような毛並みの変った人間が自民党内にいることも、
党内の「生物学的多様性」を生み、新しい環境に適応するのに必要だと思います。
党内で「出る杭」になって、古い自民党を創造的に破壊することが、
自分の使命のひとつだと勝手に思うようになりました。

|

2009年3月23日 (月)

ビジョンを創る合宿勉強会

今日の午後から明日朝にかけて党内当選1、2、3期の有志議員で集まり、
合宿形式で政策の勉強会を開催します。
派閥ごとにこういう勉強会を毎年恒例でやっているそうですが、
派閥に入っていない私にとっては始めての経験です。

プレゼンする時間をもらいました。
与えられたテーマは「リーダーの選び方」というもの。
自民党総裁選の改革について話をさせてもらうつもりです。
本当は「マニフェストのつくり方」の提案もしたかったのですが、
時間の関係で総裁選改革だけに絞って提案します。

先日のブログで以下のように書きました。
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-d89d.html
----------------------------------------------------------------
目の前の緊急経済対策や雇用対策は党の政務調査会の委員会や
プロジェクトチーム等の“正規軍”が一生懸命やっている。
われわれ若手議員の有志の会は“非正規軍”なので、
“正規軍”のベテラン議員がやらないことをやるべき。
 
総選挙も近いことだし、将来の日本はどういう方向へ向かうべきか、
2020年とか2030年の日本をどういう社会にしたいのか、
といった未来像を描き、そのための道筋を逆算しながら、
政策を考えていくべきではないか。
 
2020年頃に道州制でどういう国家をつくるとか、環境をどうするとか、
将来に希望がもてる政策を考えていくのが、若い世代の政治家の役割である。
未来の世代に責任をもつのが、若い世代の政治家の責任である。
----------------------------------------------------------------

60歳、70歳過ぎの政治家が未来を語ってはいけないとは決して言いませんが、
10年、20年後に政治の世界にいない可能性の高い政治家よりも、
10年、20年後も政治の世界でがんばりたいという意思のある政治家の方が、
未来の世代に対する責任をより明確に意識していると思います。
また若い世代は過去の政策決定に関与していない分だけ、
柔軟な発想で方向転換を図っていくことが可能です。

だからこそ若い議員で10年、20年先の日本と世界の未来像を議論し、
ビジョンを示していくことが大切なのだと思います。
今回の合宿形式の勉強会は、まさにそのための機会です。

|

2009年3月21日 (土)

やっぱりビジョン!

朝日新聞の全国世論調査(政治・社会意識基本調査)の結果が出ています。
結果を一部抜き出すと、こんな感じでした。

○いまの政治に大きな不満を抱く人:約6割

○政治に関心がある人:約8割

○いまの政治が「社会の将来像や道筋を示していない」と思う人:91%

○いまの政治が国民の意思を「反映していない」とみる人:87%

政治への関心が高い層ほど、政治への不満が強い傾向が見られます。

このところ私が壊れたレコードにようにくり返していることですが、
やっぱりいま政治に求められているのは“ビジョン”です。

この調査でいう「社会の将来像や道筋」=“ビジョン”を示すことが、
不透明な時代の政治リーダーの重要な役割です。

|

2009年3月19日 (木)

定額給付金の使い道

定額給付金の使い道に困っている方(?)に朗報です。
「チャリティ・プラットフォーム」という団体が、
定額給付金で寄付を集めるキャンペーンを始めました。

「チャリティ・プラットフォーム」は、
私のNGO時代の知り合いがやっている団体です。
よろしかったら是非!

チャリティ・プラットフォームのHPは以下です。
http://www.charity-platform.com/kikin/

|

2009年3月18日 (水)

前倒し購入で景気刺激

テレビのニュース番組でやっていましたが、
高速道路料金の値下げに関連して、ETCがバカ売れだそうです。
ETCが普及すれば、料金所渋滞の解消になって社会的コスト削減になり、
また料金所職員の人件費カットにもつながります。
ETC普及はいずれやらないといけないことなので、不景気の今やるべきです。

財政出動による景気対策では「いずれ買わなくてはいけないもの」を、
前倒しで購入することを柱の一つにすべきだと思います。

例えば、地デジ対応テレビを公共施設や低所得の人が購入するのに、
助成金を出していくといったことを今やればよいと思います。
テレビは生活必需品ですが、年金暮らしの高齢者や生活保護受給者が、
地デジ対応テレビ(またはチューナー)を買うのに助成するのも手です。

学校の耐震化かもいずれやる必要があるし、どうせやるならば、
早い方が子どもたちの安全のために良いのは明らかです。
これも不景気の今のうちに前倒しでドンドン進めるべきです。

省エネルギー・自然エネルギーに関する公共投資もチャンスです。
CO2削減に失敗すれば、排出権を他国から税金で購入しなくてはいけません。
削減目標を達成できずに、排出権購入に税金を使うぐらいなら、
今のうちに集中的に省エネと自然エネルギーに税金を投じるべきです。

景気が回復したときには、財政出動による公共事業は減らすべきです。
今のうちに「前倒し購入」と「前倒し発注」をガンガンやっていくためにも、
来年度予算と補正予算を迅速に成立させていかなくてはいけません。

|

2009年3月16日 (月)

公務員制度改革の意義

先週金曜日(3月13日)にアップする予定だったブログですが、
何かの手違いでアップできなかったので、今日アップさせていただきます。
--------------------------------------------------

今朝は8時から党本部にて公務員制度改革委員会に出席しました。
人事院や総務省の巻き返し、党内の意見対立などまだまだ課題はあります。
しかし、いまの案を見る限り、以前に比べるとだいぶ進歩しそうです。

私が特に重要だと思うのは、新たに設けられる「国家戦略スタッフ」と、
「政務スタッフ」という補佐チームです。
政治主導を実現するためには、この二つのスタッフが重要です。

「国家戦略スタッフ」は内閣官房に設置され、総理の命を受けて、
タテ割りの壁にとらわれず、国家戦略や基本政策を企画立案します。
従来の総理補佐官も「国家戦略スタッフ」に統合されます。
「国家戦略スタッフ」には官民の優秀な人材を集めるとともに、
国会議員もスタッフを兼務できることになります。
民間の研究者やエコノミスト、専門家も、優秀な官僚も、国会議員も、
国家戦略を考えるにふさわしい人材を政治任用で集めることができます。

「政務スタッフ」は各府省に置かれ、大臣の命を受けて、大臣を補佐し、
政策の企画立案を行うスタッフ職です。
こちらも民間人でも国会議員の兼務でも大丈夫です。
政治任用で大臣のブレインをそろえることができるようになります。

総理や大臣が、官僚機構の操り人形になってしまうことなく、
政治的リーダーシップを発揮するには、補佐するチームが大事です。
政治主導を実現する上で「国家戦略スタッフ」と「政務スタッフ」は、
たいへん有意義なスタッフとなることでしょう。

民主党は国会議員100人を政府に入れることで政治主導を実現する、
と主張しています。
間違いだとは言いませんが、さほど効果があるとも思えません。

いまでも大臣が約20人(兼務含む)、副大臣が25人、政務官が26人で、
全部あわせると70人くらいは政府に入っています。
民主党案のように100人になれば、政治家のコントロールがやりやすくなる、
という側面もあるかもしれませんが、70人から100人に増えるだけでは、
そんなに目立った効果が現れるかどうかわかりません。

むしろ総理や大臣を補佐する民間人チームを強化していく方が、
官僚機構に対するにらみが効くようになると思います。
また、例えば経済産業省の官僚を農水省改革に活用するといった手も、
効果的だと思います(郵政民営化準備室長は農水出身でした)。

政治がビジョンや理念を示すことが大事だとずっと言ってきましたが、
政治のトップの総理がビジョンを描き、その具体化の手助けをするのが、
「国家戦略スタッフ」ということになるでしょう。

政党としてビジョンを描くには、政党のシンクタンク機能の強化が重要です。
国家としてビジョンを描くには、「国家戦略スタッフ」のような機能が重要です。
どちらも大事です。

|

2009年3月13日 (金)

大平正芳とビジョン

福永文夫著の「大平正芳:『戦後保守』とは何か」(中公新書、2008年)という本を読みました。久しぶりにおもしろい本を読んだ気がします。
最近「いまの政治にビジョンと理念が必要だ」と主張している私には、
ちょうどよいタイミングでよい本に出会いました。

故大平正芳元総理は1970年代の終わりのわずか2年足らずしか総理を務めていませんが、この本を読むと、尊敬できる「ビジョンの政治家」だったようです。
「戦後政界屈指の知性派」と評され、読書家で文筆家として知られました。派手なパフォーマンスとは無縁で、知性と言葉に重きを置いた政治家です。
哲学を持った熟慮の人、物事を長期的に考える政治家。

大平元首相は香川県の貧しい農家に生まれ、東京商大卒で大蔵省に入りました。大蔵省といっても東大出身のバリバリの本流ではありません。官による統制よりも、民間活力を重視する財政再建重視・小さな政府路線の官僚・政治家だったようです。また、保守本流と言われ、軽軍備経済主義を貫きました。

「戦後の総決算」を唱え、21世紀の日本の未来図を描こうとしました。官僚主導ではない政治を目指していたと言えるかもしれません。総理になると9つの政策研究会(田園都市研究:梅棹忠夫国立民族博物館長、対外経済政策研究:内田忠夫東大教授、環太平洋連帯研究:大来佐武郎等)を立ち上げ、官僚機構に頼らず、骨太の長期的な国家ビジョンを描こうとしました。

経済成長第一主義から脱却し、自然と調和した精神的にゆとりのある田園都市国家の建設を目指しました。軍事力だけに頼らず、文化の力などを重視した平和外交を展開しました。いまの“ソフトパワー”や“スマートパワー”に似た感覚で安全保障を論じており、先見性を感じさせます。

モンゴル帝国の官僚(政治家)であった耶律楚材の「一利を興すは、一害を除くにしかず」という言葉がお好きだったそうで、私もこの言葉が前から好きだったので共感します。ちなみに大平元総理も小学生時代は「目立たないおとなしい子」だったそうで、私とそっくりです。私も首相を狙えるかもしれません(?)

大平元総理は次のような言葉を残しています;
-------------------------------------------------------------
総理総裁たる者は「徹底的に庶民」になりきらねばならず、庶民と隔絶した意識と生活のなかからは、庶民の納得のゆく政治ないしは庶民の協力が得られる政策は生まれてこない。
-------------------------------------------------------------
政府が引っ張って行って、それに唯々諾々とついていくような国民は、たいしたことを成し遂げられない。政府に不満をもち、政府に抵抗する民族であって、はじめて本当に政府と一緒に苦労して、次の時代をつくれる。
-------------------------------------------------------------

前者の「総理は徹底的に庶民になりきるべし」という言葉は、いまも変らない真実だと思います。

後者の「国民は政府に抵抗すべし」という言葉も総理大臣の言葉だけに迫力があります。国民と民主主義に対する信頼感があってはじめてこういうセリフが言えるのでしょう。

大平元首相は「リーダーシップに欠ける」という批判も受けたようですが、リーダーが先頭に立つよりも、ビジョンを示した上で国民といっしょに前に進んでいこう、という政治家だったのだと思います。

経営学の神様のドラッカーも言っています;
-------------------------------------------------------------
リーダーが先頭に立って事にあたり、人々を引っ張っていく姿勢など、まったくもって必要ない。有能な経営者ほど決断が少ない。ただ、優先順位だけを決めている。
-------------------------------------------------------------
ここでいう「優先順位」こそが、ビジョンだと思います。
政治の役割はビジョンを示すこと(=優先順位を決めること)に尽きると思います。

|

2009年3月12日 (木)

知的なネイビー

今朝は8時から党の防衛政策小委員会で海上自衛隊幕僚監部から説明。
海上自衛隊の幕僚監部はきわめて低姿勢で謙虚です。
論文問題で有名になった航空自衛隊幕僚監部とは大違いかもしれません。

となりに座った議員が「やっぱりインテリジェント・ネイビーだね」と
ボソッとつぶやきました。
なんとなく海上自衛隊に好意をもっている国会議員は多いです。
陸海空の中では、海上自衛隊がいちばん国際的で紳士的なイメージがあります。

自分は山育ちなのですが、なんとなく「海の男」には憧れを覚えます。
海上自衛隊とか、海上保安庁とか、渡し船の船長とか、漁師さんとか、
かっこいいな、と思ってしまいます。

フィリピンのネグロス島に住んでいたときは、よく渡し船のお世話になり、
飛び跳ねるイルカの群れと並行して走る渡し船は、青春の思い出です。
あの頃はむやみに楽しかった・・・。

JICA職員時代には、海上保安庁と航路標識(=灯台のこと)に関して、
フィリピンの案件でいっしょにお仕事をさせていただいたことがあります。
海上保安庁の海の男たちはさわやかなおじさんが多くて好印象でした。
海上の犯罪取り締まり、人命救助、海洋環境保全、航路の安全確保など、
「誰がどう見ても正しい」仕事をしている海保の人たちは、
自分たちの仕事にとても誇りをもっているようにお見受けしました。
前にも書きましたが、私が生まれ変わったらやりたい仕事のひとつは、
海上保安官です。(もうひとつは厚労省の麻薬取締官です。)

海上自衛隊も海上保安庁も「海の男」にはなんか好印象をもっています。
海上自衛隊も不祥事が続いていましたが、早く立ち直って、
海賊対策や北朝鮮ミサイル発射等も重要な課題に立ち向かってほしいです。

|

2009年3月11日 (水)

“バックキャスティング”

党の環境関係の勉強会で学んだ言葉ですが、環境政策の分野では、
“バックキャスティング”(backcasting)というのがあります。
バック(後ろ)にキャスト(投げる)で、何となく後ろ向きな印象ですが、
実はまったく逆で、非常に前向きなアプローチです。

三菱総研の櫻田陽一氏の文章から引用させていただくと、
------------------------------------------------------------
これは、将来時点をスタートポイントとし、
現在を終点としてそこに向かって思考を逆に辿ることである。
言い換えれば、まず長期の目標を定め、
その目標達成のために今から必要なアクションを具体化していくという、
極めて実践的かつ政策指向の強いアプローチである。
---------------------(中略)-------------------------------
バックキャスティング・アプローチの主要なアウトプットは、
長期のビジョン、ビジョンを導くシナリオ、
及びビジョンの達成に向けた政策オプションである。
バックキャスティング・アプローチでは、まず長期ビジョンをベースに置く。
その上で、ビジョンの実現のために、現在から将来にかけて、
どのような政策オプションを実施すべきかを具体化していく。
バックキャスティング・アプローチは、
目標設定型の政策立案アプローチとも言えよう。
------------------------------------------------------------

将来の予測に基づいて政策を立案・実行するのではなくて、
将来の目標を立てて逆算して政策を立案・実行していくアプローチです。
まさにいまの日本の政治に必要なアプローチだと思います。

地球温暖化対策(炭素排出量抑制)等の分野ではじまった手法ですが、
経済成長戦略、教育改革、外交・安全保障戦略など他分野でも必要な発想です。

まず将来の目標、ビジョンをしっかり固めることから始めて、
その実現のための政策を考えていくというのは、
将来予測の難しい時代にこそ必要なアプローチです。

社会や経済が安定していた時代には、将来の見通しが立てやすく、
“バックキャスティング”のアプローチは必ずしも重要ではありません。
しかし経済も政治も先の見通しが立たない状況だからこそ、
政治的リーダーは将来の目標、未来像、ビジョンを国民に訴えて、
その目標に至る道筋を示していかなくてはいけません。

昨日は当選1~3回生有志議員の勉強会でバックキャスティングに基づき、
次のように発言しました。

「目の前の緊急経済対策や雇用対策は党の政務調査会の委員会や
 プロジェクトチーム等の“正規軍”が一生懸命やっている。
 われわれ若手議員の有志の会は“非正規軍”なので、
 “正規軍”のベテラン議員がやらないことをやるべき。
 
 総選挙も近いことだし、将来の日本はどういう方向へ向かうべきか、
 2020年とか2030年の日本をどういう社会にしたいのか、
 といった未来像を描き、そのための道筋を逆算しながら、
 政策を考えていくべきではないか。
 
 2020年頃に道州制でどういう国家をつくるとか、環境をどうするとか、
 将来に希望がもてる政策を考えていくのが、若い世代の政治家の役割である。
 未来の世代に責任をもつのが、若い世代の政治家の責任である。」

といった趣旨の意見を述べました(実際はあんまり流暢ではありませんでしたが)。

|

2009年3月10日 (火)

北朝鮮の「人工衛星」

日本はいま西松建設献金問題とWBCの話題一色ですが、
政治がもっと注意を払わなくてはいけないのが北朝鮮情勢だと思います。
西松建設問題にマスコミの関心が集中していて目立ちませんが、
北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルの発射問題は、看過できない問題です。

北朝鮮側は長距離弾道ミサイルのことを「人工衛星」と主張していますが、
北朝鮮が人工衛星を飛ばすとはとても思えません。
北朝鮮は「人工衛星」を米軍や自衛隊が迎撃すれば、「戦争を意味する」とし、
日米韓に対して「正義の報復打撃戦を開始する」と警告しています。

長距離弾道ミサイルが日本の領空に来れば、当然迎撃せざるを得ません。
迎撃した場合、北朝鮮が「報復打撃戦」を行うと脅しているわけですから、
日本の安全保障上、深刻な事態であると言えるかもしれません。

こんな状況に自衛隊と米第7艦隊だけで対処できないのは、自明のことです。
小沢代表はなんでこんな時期に「極東におけるプレゼンスは第7艦隊で十分」
などとセンスのないことを言ったのだろうと不思議に思います。
在日米軍の海軍、空軍、海兵隊、陸軍の四軍と三自衛隊で連携して、
朝鮮半島の不安定な情勢に対処していかなくてはいけません。

私個人としてはソマリア沖の海賊対策は海上保安庁を中心に対処して、
海上自衛隊の自衛艦は日本近海にはり付けておいた方がよいように思います。

西松建設問題のことは司法に任せて、景気対策や外交・安全保障政策について、
国会でしっかり議論しなければいけない時期だと思います。

|

2009年3月 9日 (月)

政治リーダーに必要なもの

御厨貴教授(政治学)がある雑誌にとてもいいことを書かれてました。
私が日ごろ感じていることを簡潔明快に書かれていたので、引用させていただきます。

---------------------------------------------------------
いま政治リーダーに求められるのは、「構想力」と「発信力」である。
リーダーは細かいことを論じる必要はない。
全体として、この国がどういう方向に向かって行けばいいのか、
この国にとっていま何がいちばん大事なのか、ということを考える構想力。
そしてそれを明確に、国民にわかりやすく訴える発信力。
この二つが政治リーダーにあれば政治は再生する。

その意味で政治家はもっと自信を持つべきで、
メディアに取り上げてもらおうとか、
この場面でこういうことを言ったらまずい等と考えずに、
自らの信念と構想を堂々と語ることである。
政治家は、いまこそ原点に立ち返り、こぢんまりした話ではなく、
大きなテーマで勝負すべきだと思う。
----------------------------------------------------------

|

2009年3月 8日 (日)

ダブル党首選の薦め

西松建設献金事件で永田町は激震が続いています。
自民党議員同士の雑談で、誰かが冗談っぽく、
「いっそのことダブル党首選やればいいのに」と言いました。

ダブル党首選は、実はよいアイデアだと思います。

もちろん小沢代表の身の潔白が証明された場合、
民主党側は党首選を行う必要性は必ずしもありませんが、
何らかの事情で民主党側も党首選をやる可能性はあります。

他方、自民党側は今年秋までしか総裁任期が残っていないので、
いずれにしても近いうちに総裁選挙をやらざるを得ません。

もし仮に両党が党首選を今年やることになったとしたら、
いっそのこと衆院選前にダブル党首選にするのも一案だと思います。

大と小とメリットが2つあります。

小さい方のメリットは、両党が党首選を同時にやれば、
国会が開催できない時間が短くなるので、政治空白が短くなります。
これはそんなに重要ではありません。

より重要な大きなメリットは、私が前から主張してきた原則である、
「政権党の党首任期と首相任期はなるべく一致すべき」という原則を
実現することに近づくことです。

前の衆院選以来、小泉⇒安倍⇒福田⇒麻生総理と4人目の総理です。
これは「政権党の党首任期と首相任期はなるべく一致すべき」
という原則から大きく外れることは言うまでもありません。
だからこそ今の自民党麻生政権は批判されているわけです。

次の衆院選で自民と民主のどちらが勝利を収めるにせよ、
原則として、次の衆院選に勝って首相の座についた党首は、
次の次の衆院選の直前までは首相の座にとどまるべきだと思います。

安定した政権運営のためにも、首相をコロコロ変えるのは問題です。
衆院選挙は政権選択選挙であり、日本の首相を選ぶ選挙です。

「政権党の党首任期と首相任期はなるべく一致すべき」の原則は、
衆院選の直前に党首選を実施し、新党首で衆院選に臨むことで、
実現に一歩近づいていきます。

「前の衆院選から5人目の総理はいかがなものか」という批判は当然あります。
しかし、理論的な仮定の話として、仮に自民党が麻生総裁で衆院選に勝ち、
その後(今年9月)の自民党総裁選で麻生氏以外の新総裁が誕生したとすれば、
新総裁がそのまま新首相に就任することなってしまいます。
例えば、今年の夏に衆院選挙を麻生総裁で戦って勝利して、麻生首相が続投し、
その直後の秋の自民党総裁選で新しい首相に代わるというのでは、
党員はともかく、国民の理解は得られないと思います。
理論上の仮定の話とは言え、国民に衆院選で選ばれた麻生首相を、
党内の総裁選でその直後に引きずり下ろすことになる可能性があるわけです。

また、次の衆院選が終わるまでは、総理大臣と自民党総裁を分離して、
「総・総」分離の体制で臨むことにしておけば、
「衆院選を経ずに5人目の総理大臣」という批判を除くことができます。

必要があれば、衆院選前に自民と民主のダブル党首選も可能ですし、
少なくとも自民党側は衆院選前の総裁選を考えるべきだと思います。
麻生首相個人の資質や支持率がどうこうという問題ではなくて、
原理原則の問題として考えていく必要があると思います。

大切なのは「政権党の党首任期と首相任期はなるべく一致すべき」という原則を、
どうやって実現していくかというポイントです。
きちんとした原理原則に基づく党運営を行うことが、近代政党への第一歩です。

|

2009年3月 5日 (木)

マニフェストで“部族連合”から“近代政党”へ

ある雑誌に投稿する文章を書いていたら、字数制限1200字のところ、2500字近くになってしまいました。
せっかく書いたのに、もったいない(?)気がして、ここで2500字バージョンを発表させていただきます。
これから半分以下まで字数と内容を削っていかなくてはいけません・・・。
-------------------------------------------------------

マニフェストで“部族連合”から“近代政党”へ

 2008年ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン氏は著書「恐慌の罠」の中で「日本の自由民主党は、『自由』でもなければ、『民主』でもない。それどころか、厳密には欧米流の『党』ですらない。それは、ボスが操る政治マシーンの連合体のようなものである」と述べています。私には自民党は派閥(あるいは族議員)の『族長』や『長老』からなる「部族連合」のように思えます。族議員や官僚が、族長や長老に水面下で根回しし、長老会議のような密室の総務会で政策決定がなされます。自民党と社会党の55年体制の下では、“反共”とか“自由主義を守る”とか“自主憲法制定”とか、かなり大雑把な大義名分の旗を掲げれば、部族連合でも支障はありませんでした。そして高度経済成長期の万年与党では利益誘導さえしていれば、それが政治であるという感覚が強かったのでしょう。例外はあるにせよ、自民党の政治家がビジョンや理念を語ることは必ずしも多くなかったと言えるでしょう。

対する新興の民主党は「綱領なき政党」(2008年3月3日産経新聞「民主党解剖」)と言われ、自民党政権を倒すために結成された「プロジェクト政党」であり、憲法や教育、外交・安全保障などの基本政策で足並みがそろいません。民主党が政権交代を目指しているのはよくわかりますが、政権を獲得した後に日本をどうしたいのかがよくわかりません。先の参議院選挙マニフェストの民主党の最重点の「3つの約束」は、(1)年金は国が責任を持って全額支給します、(2)月額2万6千円の「子ども手当」を支給します、(3)農業の「戸別所得補償制度」を創設します、という3項目でした。これらはすべて「現金を配ります」という話です。国家単位の利益誘導であって、政党のビジョンや理念と無縁です。民主党もやはり理念や政策で結びついた近代政党ではなく、自民党打倒までの期間限定 “アドホック政党”と言ってよいでしょう。

“部族連合政党”の自民党と、アンチ自民の“プロジェクト政党”の民主党の対決という情けない政権選択選挙を脱し、日本の政治を近代化するには、与野党ともにマニフェスト政治に基づく近代政党へと脱皮する必要があります。麻生総理の「私は郵政民営化に賛成じゃなかった」発言が批判されたのは、「郵政選挙」とまで言われた選挙の結果を軽視するものだったからです。前回の総選挙は、郵政民営化とそれに象徴される構造改革の是非を問う選挙でした。郵政民営化や構造改革路線を否定するのであれば、前回総選挙のマニフェストの公約の検証と総括を行った上で、軌道修正すべきです。前回総選挙のマニフェストの検証と総括もなく、なし崩し的に構造改革路線を否定するのでは、国民は混乱してしまいます。マニフェストに掲げた政策を実行に移し、マニフェストの公約に基づいて実績を評価するという、マニフェストをベースにした政策決定のPDCAサイクルを回すことが、政党のガバナンスを確立する上で重要です。

マニフェストの核は、政党としての理念やビジョンです。現在の日本や国際社会の問題をどのようにとらえ、どのような社会を築いていこうとするのか、というビジョンを示すのがマニフェストです。このところ構造改革を否定する意見が自民党内にも多くなってきましたが、構造改革路線の次に何を目指すのかが示されていません。構造改革路線に代わるグランドデザインがありません。自民党が日本をどういう方向に持っていきたいのかが、わからない有権者は多いと思います(私にもわかりません)。政治も経済も先の見通しが立たない、そして前例やこれまでの常識が通用しない時代だからこそ、未来を照らすビジョンや理念がとても大事です。ビジョンや理念を示すのが、政治的リーダーのもっとも重要な使命です。

オバマ大統領の演説が感動を与えたのは、個別具体的な政策論を語ったからではなく、アメリカ国民共通の未来像を定義し、ビジョンを述べ、人間としての誇り、責任、義務、希望といったものについて熱く語ったからです。いま日本の政治的リーダーに求められているのは、これからの日本をどういう方向へ持って行くべきなのか、というビジョンや理念をわかりやすい言葉で示していくことだと思います。オバマに見習うべきは、スピーチのテクニックやネット戦略ではなく、国民共通の未来像を定義し、変革、行動を促し、すべての日本国民の希望を鼓舞するためのビジョンや理念を語ることだと思います。

日本では、自民党の定額給付金や高速道路割引にしても、民主党の農家の所得保障や子ども手当、高速道路無料化にしても、「いくらお金を配ります」という哲学的でない政策論が中心です。与党も野党も「お金を配る」政策論だけではなく、人口動態や社会変化にあわせた、新しい政府や社会のあり方について、それぞれの政党のビジョンと理念を示し、その具体化のための政策論を掲げて、勝負する選挙戦を目指すべきだと思います。

マニフェストでは、理念やビジョンを示した上で、達成目標とその達成手段および財源について言及します。マニフェストには党内の意見集約を十分に行う必要があります。また、官僚機構のアイデアや情報を頼りきるのではなく、政党のシンクタンク機能を強化し、民間の専門家の助けも借りながら、政党として独自に政策立案できる体制が不可欠です。

今年必ずやってくる政権選択の衆議院選挙においては、「いくらお金を配ります」という国家単位の利益誘導合戦ではなく、「どんな国を目指すのか」というビジョンと理念の選挙戦を志向すべきです。自民党は利害と義理と人情で集まった「部族連合」から脱却し、民主党はアンチ自民の「プロジェクト政党」から発展し、それぞれ近代政党に生まれ変わり、マニフェストをベースとしたビジョンや理念、そして政策の質で競り合うべきです。わが自由民主党にとっては、ビジョンや理念をベースにした政策本位の総選挙を勝てる体制をいち早く築くことが、政権維持の正攻法だと思います。

*以前にブログでご紹介した東照二教授のコラムの文章を参考にさせていただいています。(NHKホームページ「解説委員室」http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/16388.html#more

|

自民党に欠けているもの

いまの自民党に欠けているものはいくつかありますが、
一番欠けているのは、“ビジョン”だと思います。

最近いろんな若手議員の勉強会や政策提言づくりのグループが、
たくさん党内で出来ています。雨後の竹の子のようです。
すぐにマスコミは「反麻生の若手勉強会」のように報道しますが、
反麻生とか、親麻生とか、そういう意識は薄いです。

いまの自民党をどうすべきかとか、いまの日本経済をどうすべきか、
といったまじめな政策論を戦わせていることが多いのですが、
私がいつも主張しているのは「自民党にビジョンを!」という意見です。

いま閣僚や党幹部の間では、反小泉構造改革ムードが強い気がします。
景気が悪いのも、格差が拡大したのも、ぜんぶ小泉改革のせいだ、
といった情緒的な議論が多いように感じます。

時代の変化にあわせて、党の方針が変るのは、当然のことだと思います。
しかし、なし崩し的に感情論で党の方針が変っていくのは問題だと思います。
先の総選挙のマニフェストで構造改革の推進を訴えて政権を維持したのだから、
これまでの構造改革の歩みを検証した上で、次の方向性を打ち出すべきです。
構造改革には功罪、プラス・マイナスどちらもあると思います。
功と罪を冷静に検証した上で、次の方向性を出していく必要があります。

構造改革を全否定して90年代に逆戻りというのが解決策とは思えません。
自民党がどちらの方向に向かっているのか、当の自民党議員の私でさえ、
正直言ってよくわかりません。
どっちの方向を目指しているのか、というビジョンを示すのが、
いまの政治にとって大切な時期だと思います。

今日も「速やかな政策実現を求める有志議員の会」の議論に参加して、
ビジョンや理念の議論をして、日本をどういう方向に持っていくべきかを、
積極的に発信していくべきである、という意見を述べてきました。
今年は総選挙の年なので、マニフェストの核になるビジョンが大事です。

2008年10月23日ブログ「小泉改革が格差の元凶か?」
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-9518.html

|

2009年3月 4日 (水)

いまやるべきこと:景気

昨晩から永田町を激震が走っています。
今日は定額給付金を含む補正予算の3分の2の再可決の日ですが、
小泉元総理の欠席という話題さえ吹っ飛んでしまいそうな勢いです。

しかし、違法献金問題は司法に任せて、いまやるべきは何よりも景気対策です。
定額給付金ばかりが話題になりますが、二次補正予算のなかには
中小企業対策や生活支援策、雇用対策等の緊急経済対策が含まれます。

本日の国会で衆議院の3分の2を使った再議決もやむを得ないと思います。
世界同時不況のなかで日本の経済危機はもっとも深刻な部類です。
震源地のアメリカよりも日本の方が株価が下がっていたり、
経済成長率のマイナス幅が大きかったりと、日本のキズは深いです。

世界でもっとも危機的な状況にある日本が、もっとも対策が遅れています。
もちろん政権与党に一義的な責任がありますが、同時に衆参ねじれの下で、
難しい国会運営を迫られているという事情もあります。

衆参のねじれは民主党政権になっても続く可能性が高いです。
民主党は参議院で過半数の議席を有していないため、
参議院では非民主勢力が過半数を占めているからです。

衆参のねじれは避けられない現実であると認識した上で、
衆参がねじれていても困らない国会運営のあり方を考えること、
そして、衆参のねじれの下でも与野党の壁を超えて、
日本の危機的な状況に立ち向かっていくこと、が大切だと思います。

経済危機克服のために、大連立でなくても、超党派の経済政策チームでもつくって、
国家を挙げて総力戦体制で景気対策に取り組んでいくべきだと思います。
超党派の経済政策立案チームで来年度予算と来年度一次補正予算をつくり、
その後で話し合い解散といった手順でもいいような気がします。

「まずは景気対策に取り組むべき」という姿勢は、
「国民の生活が第一」の民主党にとっては受け入れられるものだと思います。
政争よりも経済対策にこそ、国会議員は知恵と力を結集すべきだと思います。

|

2009年3月 3日 (火)

経済学者の自民党評価

ノーベル経済学賞受賞クルーグマンの「恐慌の罠」という本を読みました。
収録してある論文は1998年から2002年頃に書かれたものですが、
世界的な経済危機の今、おもしろい本だと思います。

ところで、同書によれば、クルーグマンに言わせると、
------------------------------------------------------
日本の自由民主党は、「自由」でもなければ、「民主」でもない。
それどころか、厳密には欧米流の「党」ですらない。
それは、ボスが操る政治マシーンの連合体のようなものである。
------------------------------------------------------
ということです。

かなり辛らつな評価ですが、まったく同感です。
アメリカの経済学者でさえ(日本人でもなければ、政治学者でもない)、
自民党の構造的な問題点に気付いています。
気付いていないのは、自民党の中にいる旧世代のように思います。

実は先週若手議員の勉強会で、自民党のあり方について議論していたとき、
「自民党は部族連合みたいなものだ。
 派閥という部族が寄せ集まって、
 部族長(=派閥の長)や長老が恣意的に意思決定している、
 ゆるやかな部族連合だ」
と私が発言したところ、参加者の大方の賛同を得ました。

自民党という部族連合体を、近代国家にするのが、われわれ若い世代の使命です。
政党としてのガバナンスが欠如している状態を抜本的に見直し、
政策立案能力、政策コミュニケーション能力をつける必要があります。

総裁選のあり方、候補者のリクルートの仕組み、シンクタンク機能の強化、
マニフェスト策定プロセスの確立、ICTによる国民・党員への働きかけ等、
近代政党にふさわしい組織・制度を整備する必要があります。

利害関係で寄せ集まった“ごった煮”の部族連合的な政党から脱却するには、
党としてのビジョンや理念を確立・明確化して打ち出し、
それを具体化させるための手足となる組織・体制を整えることが大切です。
近代政党への脱皮が、総選挙に勝てる体制づくりの第一歩だと思います。

*「恐慌の罠」、ポール・クルーグマン著、中央公論新社、2002年

|

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »