先日、外務省およびODA予算の事業仕分けを行いました。
詳細は、後日、政策シンクタンク構想日本のホームページをご覧頂くとして、
B班の主査を務めさせていただいた所感は以下の通りです。
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1)ODAの司令塔づくり
10を超える省庁がバラバラにODA事業を実施しており、
オール・ジャパンの観点での事業の調整がなされていない。
そもそも“経産省の国益”や“農水省の国益”、“外務省の国益”など、
あってはならないはず。
ODAの総合調整、外交戦略との整合性を図る「司令塔」が必要。
官邸の海外経済協力会議または外務省が、ODAの司令塔になるべきだが、
いまの体制では不十分。
ODAの司令塔づくりに取り組むべき。
2)重点分野や重点地域の明確化
外務省(JICA)のODA事業も、各省庁のODA事業も、
重点分野や重点地域をあまり意識せずに案件採択している印象を受ける。
重点分野や重点地域ごとに予算配分を定量化して、明確にすべき。
いままで以上にODAに戦略性をもたせる必要がある。
3)説明責任の自覚と世論の反映
世論調査の結果を見ると、ODAに対する国民の支持が低下傾向にある。
世論は人道援助や教育援助等の分野のODAを重視しているが、
実際の予算配分は必ずしもそうなっていない。
ODAが国民の理解と支持を得るためには、きちんと説明することと、
世論の動向をある程度反映させることも必要である。
被援助国の受益者のニーズにあった支援を行いつつ、
国内の世論の支持を得るための努力が必要である。
4)コスト意識の徹底
省庁間でコスト意識に若干の差があった。
例えば、東京=ジャカルタ間の航空運賃を比較すると、
国土交通省は9万円強のディスカウントチケットを購入し、
経産省と農水省は16万円程のディスカウントチケットを購入し、
JICAは40万円程の正規料金のチケットを購入しているケースがあった。
同じランクの公務員(本省課長補佐)が、同じ国に出張するのに、
航空運賃にこれほどの差が出るのは、そもそもおかしい。
JICAは専門家、調査団、協力隊員、研修員など、年間2万人ほどが、
国際線の飛行機を利用している。
東京=ジャカルタ間の航空運賃をせめて16万円にすれば、
20万円以上のコストカットにつながる。
大雑把に言うと、2万人×20万円=40億円くらいは、
航空運賃をカットできる可能性がある。
民間企業が苦しんでいる時に、独立行政法人だけが楽をするのは、
どう考えても納税者の理解は得られない。
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正直言って、古巣のJICAの予算カットに取り組むのは、
心理的にかなりつらい仕事ではあります。
元の上司や先輩職員が説明している事業について、
「この部分はコストが高い」とか、「この事業は不要だ」とか、
あんまり言いたくはありません。
いわゆる「過去官僚議員」が、出身官庁に甘くなる気持ちはわかります。
しかし、心を鬼にしてムダの削減に取り組んでいます。
また、各省庁のODA事業担当者も、事業の必要性を必死で訴えます。
実際のところ、まったくムダな事業というのは、それほど多くありません。
複数の省庁が似たような事業をやっているケースや、
まったくムダとは言い切れないものの、時代のニーズに合わなくなった事業、
民間(企業やNPO)でもやれるようになった事業などが多いです。
いわば「相対的なムダ」が多い、というのが現状だと思います。
事業の必要性を全否定するのではなく、事業のやり方を変えるべき、
実施主体を民間に移管すべき、といった評価になるケースも多いです。
外務省やJICA、関係省庁の担当者には、たいへん申し訳ないのですが、
それでもやっぱり納税者の視点に立ち、ムダ撲滅に取り組まなくてはいけません。
私個人としてはODA削減を目指しているわけではありません。
ただ単に、ODA事業の非効率な部分や、相対的なムダを取り除きたいだけです。
本当に必要な事業に予算を配分するためには、ムダをカットする必要があります。
これからもムダボのつらくきびしい作業は続きます。
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